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写真集『沖縄の記憶 1953-1972』 [読書不可侵条約系]

沖縄の記憶 1953‐1972—オキナワ記録写真集

沖縄の記憶 1953‐1972—オキナワ記録写真集

  • 作者: 山田 實, 金城 棟永
  • 出版社/メーカー: 生活情報センター
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 大型本


 「風景」「働く」「暮らし・文化」「祈り・祭り」の4つのテーマごとに、50年代60年代あたりの古き沖縄の様子をとらえた写真集。私が生まれる一昔、二昔前の時代だ。撮影場所は那覇市内が多いが、南部や北部、八重山まで及んでいる(コザの写真がないのはちょっと残念)。国際通り近辺がかなり写っているが、当時の面影がいまだに残っているのがわかる。私の実家付近の写真もあり、親や祖父母が写っていないか思わず探してみたり。瓦屋根の家々が多い中で、走っている車はアメ車というのも、いかにも「オキナワ」らしい。カンプーを結った着物姿のおばぁたちが随所に登場、戦後の沖縄を支えたのはおばぁたちであることがよくわかる。沖縄といえば「平良とみのようなおばぁ」が代表として取り上げられるのも当然といえば当然か。当時の沖縄は、今では考えられないくらい貧しい状況だが、みんな生き生きしているように見える。それにしても、よくこれだけ県内各地の庶民の何気ない日常の暮らしを撮ったものだ。貴重な農村や漁村の風景も多い。政治的にも激動の時代ではあったが、そうした政治面だけではない、沖縄の日常風景をよく伝えている。

民謡でも「唐の世からヤマトの世、ヤマトの世からアメリカ世、ひるまさ変わたる くぬウチナー」と歌われたりするが、アメリカ世の時代にもたくましく生きていたウチナーンチュの暮らしの一端がかいま見える写真集である。近年、沖縄を旅する人もますます増えてきているが、戦争や基地、青い空青い海でもない、古き沖縄という過去への旅をしてみるのも一興かもしれない。


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コメント 2

瑠璃子

あたしもこれ欲しいなあ。ちょっと貸してくださいよ。返さないからw
by 瑠璃子 (2007-01-05 13:49) 

わらばー@見ッチェル

図書館で借りたんじゃ。君の最寄りの図書館も検索したらあったよ。
by わらばー@見ッチェル (2007-01-06 10:02) 

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