SSブログ

積ん読 その2 [読書不可侵条約系]

西尾幹二・八木秀次『新・国民の油断 「ジェンダーフリー」「過激な性教育」が日本を亡ぼす 』(2005)PHP研究所

新・国民の油断 「ジェンダーフリー」「過激な性教育」が日本を亡ぼす

新・国民の油断 「ジェンダーフリー」「過激な性教育」が日本を亡ぼす

  • 作者: 西尾 幹二, 八木 秀次
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2005/01/12
  • メディア: 単行本

冷戦崩壊によってマルクス主義は大幅に退却したにも関わらず、装いを変えて権力に忍び寄り、ついには「正統思想」となってしまっている。そしてそれを許したのが保守そして国民の油断であった、というのが本書のテーマ。
ジェンダーフリーの旗振り役となっている上野千鶴子や大沢真理を変態呼ばわりしクソミソに叩いて溜飲を下げようとしてます。たとえば上野氏が若き頃オクテであったのに性体験後は性に奔放になったと述懐し、女性器を考察した文章があるが、西尾氏はわざわざエリザベス・ベントレイという女性の話を持ち出す。ベントレイはアメリカ人だがソ連のスパイになった人物(彼女は若い頃、性に保守的であったが、その後は淫乱な生活を送ったらしい)であり、上野千鶴子の正体は、ベントレイのようなふしだらなスパイ女だとこじつけている。とにかく、上野・大沢は「うちの柴犬以下」だそうである。

『ブレンダと呼ばれた少年』のあとがきでも言及されているが、上野氏がジョンマネーの「学説」を支持している、という指摘は、上野氏さらにはフェミニズムを批判したいがゆえの意図的なミスリードだと思われる。指摘された『差異の政治学』の中で確かにジョンマネーについて言及されているけれども、それは学説史の中で触れているものであり、しかも「双子の事例」そのものについては触れていないからだ。ただし、上野氏がマネーの「学説」を実際にどの程度認識し支持しているかという点については議論の余地があるだろう。過去の著作等で明確に「学説」を支持するような記述があるかどうか、さらにいえば、フェミニズムがマネーの理論を総括しているかという点については私自身は未見であり、それは今後調べてみたい。それはさておき、本書には、このような???と思わせるところが随所にある。なお、掲載媒体の問題に関して言えば、この上野=マネー学説支持のくだりの文章の初出は『世界日報』というアヤシイところだということも指摘しておきたい。(なぜアヤシイかはググってみればわかります)

歴史や公民のみならず家庭科や国語まで声高に教科書(および教師)批判をしているのは、『新しい歴史教科書』を売らんがためのケイモウ活動だったというわけですな。

ついでだが、ある医師の写真を無断掲載し、しかも誤解を招く表現を用いているため、現在回収されているようです。


nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 4

くまぞお

急に難しいこと書くようになったね
by くまぞお (2005-09-28 03:44) 

わらばー@見ッチェル

>くまぞお氏
まあほんとはチラシの裏なんだけど、本読んだ感想も書いとこうと思ってね。
こういうのはスルー推奨w
by わらばー@見ッチェル (2005-09-28 23:33) 

瑠璃子

西尾幹二はアレだけど藤岡信勝センセについては論戦挑むぜw
by 瑠璃子 (2005-09-29 02:23) 

わらばー@見ッチェル

藤岡琢也のほうがw
by わらばー@見ッチェル (2005-10-02 00:42) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

積ん読 その1八重山ゲンキクール ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。